製造分野を中心に人材派遣・請負事業を行うUTグループ株式会社は、採用活動を社内に集約することで、同社独自のプロセスにより月間採用数1,000名を超える「高い採用力」を実現しています。採用活動の中の面接の予約チャネルの一つであるLINEの予約率やユーザー体験に課題を感じていた同社は、チャットボットのリニューアルを検討。JTPの「AIチャットボット(Third AI Contact Center Solution)」を導入することで、LINE面接の予約率を向上させるとともに面接予約にかかるオペレータの対応工数を1.5割削減することに成功。さらに、カスタマーサクセスを利用することで、LINEのユーザー体験を継続的に改善できる体制を整えました。これにより、将来的なLINE経由の採用の拡大に備えることができました。
「LINEは誰もが使うサービスでありインフラのように普及していますので、LINE上のユーザー体験価値を継続的に改善できるということは、どの業界においても大きな強みになると思います」
金築 直 氏
グループ採用室
リクルートコンタクトユニット
キャリアコンタクトセクション
プロフェッショナル
導入前の課題
- ✔面接シナリオの変更にコストと時間を要し、迅速に対応できない
- ✔セルフサービスの側面が強く、継続的な改善のサポートがない
- ✔LINEの活用幅を増やしたいが、上記課題により進められない
導入効果
- ✔迅速な面接シナリオのへ変更による予約率向上
- ✔カスタマーサクセスによる、UXの継続的な改善施策
- ✔LINE面接予約の活用幅拡大
導入サービス/ソリューション/製品
- ✔AIチャットボット(Third AI Contact Center Solution)
- ✔専門チームによるカスタマーサクセスプログラム
採用活動の内製化による「高い採用力」の実現
1995年の創業以来、製造分野を中心に人材派遣・請負事業を行うUTグループ株式会社。「はたらく力で、イキイキをつくる。」をミッションに、創業当初から働く人々が安心できる環境づくりに取り組んでおり、人材派遣業界では異例の無期雇用(正社員雇用)や社会保険100%加入、スキルアップやキャリア形成の支援、能力や技能に応じた昇給制度など一般企業の正社員と変わらない仕組みを次々と実現。近年は「これからのはたらき方のプラットフォームになる。」をビジョンに掲げ、国内トップクラスの技術職社員数を誇る業界のリーディングカンパニーへと成長しています。
同社の強みの一つが月間採用数1,000名を超える「高い採用力」です。「マーケティングによる母集団形成」から「応募者の面接予約・面接来場のフォロー」、そして「面接と採用」まで大規模な採用活動のすべてのプロセスを同社のグループ採用室で内製化しており、この「高い採用力」を支えています。採用活動を社内に集約することで、柔軟なオペレーションや継続的な改善施策を実現しているのです。この採用活動の中で「応募者の面接予約・面接来場のフォロー」を担当するのが、リクルートコンタクトユニットです。
「リクルートコンタクトユニットでは、面接来場へのコンバージョンがKPIに設定されています。面接予約のチャネルには、電話、Web、メール、LINEがありますが、KPIの達成のためには、これらチャネルのユーザー体験価値の向上が非常に重要です。そのため、応募者のニーズに合ったチャネルを提供して、スムーズに予約できるようシステム化しており、応募者フォローのためコールセンターも内製しています」
既存のLINEの予約システムの限界とAIチャットボット(Third AI Contact Center Solution)の導入
同社は、2018年にLINEの予約システムを導入。しかし、面接予約のオペレーション変更に伴うLINE上の予約シナリオ改善に迅速に対応できないことが次第に問題になってきました。
「人材が足りない時は広く募集しますが、逆にニーズがなければ募集活動自体を縮小します。応募者が多い場合は面接可能な数に合うように、また、応募者が少ない場合は1人でも多く面接できるようにオペレーションを変更します。さらに、電話対応であればスクリプトや質問項目を変更します。このような変更をLINEの予約チャネルでもタイムリーに実施したかったのですが、既存のサービスだと、リクエストから実装までのリードタイムが長く間に合わないことがありました」
さらに、LINE予約チャネルのコンバージョン率向上のための継続的な改善施策の実施も難しい状況でした。
「LINEからの面接の予約率を向上させるためには、定期的に面接シナリオを見直しつつ予約チャネルのユーザー体験価値を高めていく必要があります。この部分は最も期待したいところですが、既存のサービスではほとんど提案をいただくことができませんでした」
このような問題が顕在化し、同社はLINEの予約システムのリニューアルの検討をはじめます。同時に、電話が繋がらずフォローができない求職者向けの新しい予約チャネルとしてLINE上の有人チャットの活用についても検討をはじめました。
そして複数の事業者のサービスを比較検討し、オペレーションの変更に合わせた迅速なアップデートが可能なこと、導入後も継続的な改善支援を行うサービスが用意されていることから、最終的にJTPの「AIチャットボット(Third AI Contact Center Solution)」が選ばれました。
「選定のポイントは、JTP社の専門チームによるカスタマーサクセスプログラムの存在です。これはまさに当社が求めていたサービスです。日々ユーザーがLINE予約を利用することで蓄積されるログデータから課題を分析して継続的に改善提案をいただけることに非常に価値を感じております。さらに、JTPはエンジニアリングリソースを内製しており、オペレーションの変更に合わせたLINE予約シナリオの改善に迅速に対応いただける点も大きいです。Webサービスだとツールの提供のみというところも多いのですが、JTPは営業担当のレスポンスも早く、常に当社目線でご提案いただけるので安心できます。以上のことからコストメリットが高く、今後の将来的にLINEチャネルの拡大も実現できるイメージが出来た為、JTP社と共に伴走させていただこうと決めました」
同社が誇る独自の採用プロセスへの組み込みとカスタマーサクセスの活用
同社は、2021年8月頃に既存のLINE予約システムのリプレースを検討開始。同年の12月から年明け2022年の1月にかけて、JTPから「AIチャットボット(Third AI Contact Center Solution)」の提案があり、4月の導入決定後すぐに開発がスタートしました。
「当社としては既存の予約シナリオを引き継いで実装しようと考えていたのですが、JTPからは、既存シナリオの離脱ポイントを見直した新しいシナリオや面接予約が完了していない求職者に対するプッシュ配信などの提案がありました。これにより、1人でも多くの求職者をすくい上げられる予約シナリオに改善することができました。また、実際の業務は、採用管理システムを通してオペレーションを行うため、相互連携できるようしっかりと作り込んでもらいました。特に、採用管理システムの中で独自に開発したものが多く、API絡みのところは最後までご尽力をいただきました」
2022年9月、 音声自動応答のLINE AiCallを含む形で、新しいLINEの予約システムとして本番稼働を開始。新システムでは、応募者が採用コンタクトセンターのLINE公式アカウントを友だち登録すると、LINE上でチャットボットが応募者の個人情報や応募条件のヒアリングを自動で開始。各項目に回答後、応募受付から面接日時確定まで約3分で完結できるようになりました。応募情報やヒアリング内容は、採用管理システムにリアルタイムに反映されるため、オペレータの対応工数の削減にも貢献できました。
カスタマーサクセスでは週1回の定例会議を設定し、UXおよびシステムの問題解決はもちろんのこと、これら分析結果を踏まえ、より俯瞰した切り口から、最適案の創出を目指し共創しています。
「KPIの面接数をもとに、システムの問題や歩留まりを分析して、どのようにして面接にコンバージョンしたか、どのように面接へのコンバージョン率を上げていくか、さらなる最適化を目指して協議しています」
AIチャットボット(Third AI Contact Center Solution)の導入効果と今後への期待
Third AI 導入後、LINE面接の予約率を向上させるとともに面接予約にかかるオペレータの対応工数を1.5割削減することに成功。現状、予約チャネルは電話が主流ですが、LINE経由の予約数のシェアは徐々に増えてきています。
「LINEのアプリだけで予約を完結したいと言うニーズは確かに存在するので、チャネルのユーザー体験価値を継続的に改善できる体制が整ったことは、将来への備えとして非常に大きいです。これから確実に結果が出ると期待しています。また、有人チャットの活用も開始し、電話が繋がらない応募者に対するアプローチができるようになり、実際に会話できた求職者の数が少しずつ増えています。この部分が実際の面接に繋がるかどうか、もっとチャレンジしてみたいと考えています」
このように、LINEの予約チャネルが整いユーザビリティが改善されたことで、マーケティングから採用・就業までのすべてのプロセスをLINE上で完結する計画が可能になりました。
「マーケティング担当と連携して、広告から直接的にLINEで面接予約まで取り付ける、面接から入社までのコミュニケーションをLINE上で継続して提供するなど、将来的には集客から面接、採用・就業までのすべてのプロセスでLINEを通した価値提供を実現したいと考えております」
最後に、LINEチャットボットの導入を検討されている方向けに、導入によるLINEのユーザー体験価値の向上について強調します。
「LINEは誰もが使うサービスでありインフラのように普及していますので、LINE上のユーザー体験価値を継続的に改善できるということは、どの業界においても大きな強みになると思います。現状、人材派遣業界でLINEを活用しているケースは多くないので、当社の強みにしていきたいと思います」
JTPは、さまざまな業界へのチャットボットの導入、長年に渡るテクニカルサポートの提供実績を通して育まれたベストプラクティスを集結し、今後も同社グループ採用室 リクルートコンタクトユニットのコンバージョン率向上、そして同社が目指すビジョン「これからのはたらき方のプラットフォームになる。」をサポートしていきます。
UTグループ株式会社(東証プライム市場上場)
本社所在地
東京都品川区東五反田一丁目11番15号 電波ビル6階
事業内容
製造・設計・開発・建設分野等の無期雇用派遣事業
Webサイト
https://www.ut-g.co.jp